Java 調律シミュレーター (Java Tuning Simulator) v0.6.4


これまでの調律のシミュレーションをまとめて Javaアプレットで見てみます。

(v0.6)傾き(grade)を 0.08と 0.1にした場合を載せました。
ピアノの識別 (Identify Piano Types) での 既存の CDでの傾き(grade)の範囲で
調律曲線を求める一つの試み (Tuning Curve Pursuits)の A(1)と C(88)のセント値の差(24.5 〜 62.8[cent])を比較して見ます。

  1. Octave: 1オクターブの`うなり'(2:1)を 0.5ぐらいで拡張します。

    傾き(grade)を 0.08と 0.1にした場合です。

    octave 0.08 octave 0.1

    A(1)と C(88)のセント値の差は 30.2と 18.1です。

  2. 2Octave: 2オクターブの'うなり'(4:1)を 1.0ぐらいで拡張します。

    傾き(grade)を 0.08と 0.1にした場合です。

    2octave 0.08 2octave 0.08

    A(1)と C(88)のセント値の差は 43.4 と 29.3です。

  3. Curve: インハーモニシティ値を cosh(双曲線余弦 - ハイパボリックコサイン)に対応させてから sinh(双曲線正弦 - ハイパボリックサイン)と -e(ネイピア数 - 自然対数)を足し合わせて 2オクターブの'うなり'を一定にする計算式の方法です。
    参照〉 インハーモニシティの曲線から調律曲線を求める (Inharmonicity curve to Tuning Curve)
    参照〉 計算式から求める調律曲線のシミュレーション (Formula Tuning Simulation)

    傾き(grade)を 0.08と 0.1にした場合です。

    curve 0.08 curve 0.1

    A(1)と C(88)のセント値の差は 46.9 と 42.9です。

  4. NonZero: ノンゼロ方式です。 (これまでの「巻線の調律シミュレーション」と 「高音部の調律シミュレーション」を合わせた方法です。)
    'うなり'を 0にするのではなく 倍音を同じぐらいに合わせると言う考え方です。 巻線部と高音部とでは合わせ方が異なります。

    傾き(grade)を 0.08と 0.1にした場合です。

    nonzero 0.08 nonzero 0.1

    A(1)と C(88)のセント値の差は 55.4 と 36.5です。

  5. Envelope: エンベロープ方式です。
    (v0.4.1)高音部もエンベロープ方式になりました。 ただあまり違いはありません。
    また「NonZero」では殆んど固定ですが こちらは 倍音の取り方で低音域のカーブが変更出来るのが特徴です。

    参照> エンベロープのシミュレーション(Simulation of Envelope)

    ここでは 10倍音 12倍音までに固定しています。

    傾き(grade)を 0.08と 0.1にした場合です。

    envelope 0.08 envelope 0.1

    A(1)と C(88)のセント値の差は 50.2 と 33.6です。

  6. (※v0.5)Triads:三和音方式です。
    「ベジエ曲線から調律曲線へ (From Bezier to Tuning)」 からの方式です。

    「純正5度と純正4度」などの二和音でも同様の効果がありますが 代表して「オクターブと純正5度と純正4度」の三和音を 載せています。

    傾き(grade)を 0.08と 0.1にした場合です。

    triads 0.08 triads 0.1

    A(1)と C(88)のセント値の差は 62.7 と 51.5です。


    例えば低音部の拡張を[Envelope]で[Beat]を拡大して見ます。

    envelope beat 2.0

    [Triads]ではより滑らかになっています。

    triads beat 2.0

    高音部の拡張を[Envelope]の[ABS][<-]では オクターブと 2オクターブの 2つですが...

    envelope beat abs

    [Triads]では オクターブと 2オクターブと 純正4度の 3つまでが揃い...

    triads beat abs

    より実際の方法に近い様に思われます。 (ただ 高音部のセント値がより高くなる事については 未検証です。) 調律曲線を求める一つの試み (Tuning Curve Pursuits) で確かめてみました。

jts (Java appletは 利用出来なくなりました;)

使い方:

それぞれのシミュレーションを比べてみます。

  1. オクターブ(2:1)のTuningです。 [Cent][Beat][All] [Enve.]では 13(A)-25(A)のオクターブを表示します。
    Wave信号は減衰値を0.05にしています。

    octave cent octave beat octave all octave envelope
  2. 2オクターブです。

    2octave cent 2octave beat 2octave all 2octave envelope
  3. Curve(曲線)のTuningです。

    curve cent curve beat curve all curve envelope
  4. NonZeroのTuningです。

    nonZero cent nonZero beat nonZero all nonZero envelope
  5. エンベロープのTuningです。

    envelope cent envelope beat envelope all envelope envelope
  6. 三和音のTuningです。

    triads cent triads beat triads all triads envelope

《参照》


参考文献:
Dobashi.M
Last modified: 4月 27日 土 19:29:05 2024 JST