ピアノの倍音を表すのに下の様な楽譜表記が使われたりします。
それを鍵盤で表すと以下の様になります。
25(A)が基音の場合 37(A)の第1倍音(オクターブ),
第2倍音は44(E),第3倍音は49(A)...と続きます。
それを表にして見ます。
倍数 | キー | 周波数[Hz] |
---|---|---|
01 | 25(A) | 110.00 |
02 | 37(A) | 220.00 |
03 | 44(E) | 330.00 |
04 | 49(A) | 440.00 |
05 | 53(Cis) | 550.00 |
06 | 56(E) | 660.00 |
07 | 59(G) | 770.00 |
08 | 61(A) | 880.00 |
09 | 63(H) | 990.00 |
10 | 65(Cis) | 1100.00 |
又 32(E)キーでは以下となります。
重複している 44(E)とか63(H)を見てみると 25(A)の倍音では 44(E)の周波数は 330.00[Hz] 63(H)の周波数は 990.00[Hz]ですが 32(E)の倍音では 44(E)は 329.63[Hz]で 63(H)は 988.88[Hz]と 周波数の違いに気が付きます。
キーの周波数と合わせて表示してみます。25(A)です。
2倍,4倍,8倍はオクターブで 2の倍数で差はありませんが それ以外では差が出来てしまいます。
では インハーモニシティとTuningのシミュレーションを行った場合では
どうでしょう。
以下の様なインハーモニシティ値とセント値とします。
より実際のピアノの音に近いはずですが より遠ざかった様に見えます。
25(A)の場合をグラフにしてみます。 赤丸が平均律で 白丸はインハーモニシティ有りの場合です。
(※v0.3)平均律で 13(A)55.0[Hz]から 77倍音までを計算してみます。
(※v0.6)[Key:]でセットしたキーからに 変更が出来ます。(1 〜 49)
[MaxKey:]で最大キーを変更出来ます。(50 〜 88)
[Set]ボタンを押して下さい。
周波数の差とセント値をグラフにしてみます。
初期値の 13(A)から 77倍音まででは 21,22倍から同じキー67(Es)に重なり始めて 58,59,60,61倍では 同じ84(Gis)に重なってしまいます。
この様に倍数とキーとの比較とは 2:1, 3:1, 4:1, 5:1, 6:1, 7:1, 8:1, 9:1, 10:1...77:1 の音程を見ている事になります。
では 協和音程ではどうでしょう。
例えば 3:2の純正5度の場合です。
平均律の25(A)と32(E)の倍音から 3:2の倍数を取り出して見ます。
この場合は 周波数が倍になればその差も倍になって行きます。
インハーモニシティとTuningのシミュレーションを行った場合では どうでしょうか。
この場合では多めながら増加しています。
又 打弦点によると
(響板の性能の違いや打鍵による表現の変化により
倍音は様々に変化しますが) 打弦点の倍数は消失点となります。
1/8の位置なら 8倍・16倍・24倍...がそれに当たります。
ですので 周波数の差の大きい15:10とか12:8では 倍音の音量も少なくなるので 3:2(純正5度)や4:3(純正4度)・4:1(2オクターブ)が 確実に倍音を捉えられると思われます。
そして 全鍵でのビートを見てみます。
セント値が全て0と
Tuningのシミュレーションを行った場合です。
その時のオクターブの倍音のビートです。
高音部は2:1が少し高めになりますが それでも4:2以上ではもっと高くなってしまいます。
《参照》
【補正値について】例えばJP(インハーモニシティを 求めて (In pursuit of inharmonicity))などで 倍音を平均律キーからのセント値で表していますが それは倍音での差をセント値で表すとどのキーでも同じになるので それを測定用(インハーモニシティ値)の補正値として使用しています。
text-3[(offset)]ボタンで補正値を使った表示になります。
[offset]は赤丸に対して白丸のずれがどれぐらいかを見る為に 補正値を使っているのであって 倍音がキーに対して0と言う事ではありません。
又上の77倍音で見る様に使えるのは20倍音までです。
(Java appletは 利用出来なくなりました;)
(変更履歴:
v0.6['20/05/23] "13(A)から77倍音"をjavascriptで置き換えて
キー変更が出来る様に変更しました。HTML5に変更しました。
v0.5['17/03/01]
[Tune]から[Tune3](三和音型)に変更しました。
v0.4['16/09/15]
[Cent]表示からインハーモニシティ値を加え無くしました。
v0.3.3['16/04/24] 基音と倍音の取り間違いを訂正しました。
v0.3.2['15/01/13] JavaScriptをHTML5版と別にしました。
v0.3.1['14/02/14] HTML5版を別ページに移動しました。
v0.3['13/11/15] TuningNonZero.java(とTune.js)を改訂しましたので
Tuning後の値が少し変わりました。
v0.2['13/04/11]
HTML5版(JavaScript)のグラフ画面を下に追加しました。
78倍音までの例を追加しました。
v0.1['13/03/30])
上段[ 25(A): 110.0[Hz] ]テキストデータ: 選択したキーの「番号(音名前): 周波数」 [Inha.]時はインハーモニシティ値 [Cent]時はセント値を表示します。
[ 1...20 ]セレクタ: 倍音数を選びます。
[ Octave 2:1... ]セレクタ: 音程を選びます。
[ < ][ > ]ボタン: キーを1つずつ上下します。
[ < > ][ > < ]ボタン: [Strick]の時に表示範囲を2倍・1/2倍にします。
[ Clear / Tune3 ]トグルボタン: Tuningのシミュレーションを行います。
[ Inher(monicity) / Equal ]トグルボタン: 平均律かインハーモニシティ有りに切替えます。
[ (offset) ]トグルボタン: [Partial]でデータを整える場合に補正値を使用します。
[ + ][ - ]ボタン: 画面の高さを増減します。
下段[ Partial ]ボタン: 倍音を表示します。
[ Interval ]ボタン: 音程での`うなり'を表示します。
[ Strick ]ボタン: これはFFTではありません。 打弦点(Stricking Point)による倍音の音量の違いを表しています。
[ Beat ]ボタン: 全キーでの`うなり'を表示します。
[ Inhe(rmonicity) ]ボタン: 全キーでのインハーモニシティ値を表示します。
[ Cent ]ボタン: 全キーでのセント値を表示します。
[ Graph / Text ]トグルボタン: グラフ画面とテキストデータ表示を切替えます。
鍵盤の画面をクリックする事でキーが選択されます。 選択されたキーはピンク色で その倍音はオレンジ色で 音程として選択されたキーはシアン色 で表されます。
HTML5版です。