ピアノ弦のインハーモニシティありの場合を Inharmonicity FFT(IFFT) を使って見てみます。
例えば A(25) 110[Hz]で インハーモニシティ値の異なる
      2本の弦を合わせるとします。
      Ch.1は(0.993)に固定し Ch.2は半音下から100[cent]上げて(0.099)・(0.09)・
      (0.08)と変えた場合の`うなり'です。
基音で`うなり'を 0にするため Ch.2は数セントずれます。 (0.099)の目盛は最大にしてあります。(0.0993)の時のうなりは全て 0ですから 省略しました。
 0.099
0.099
    
       0.09
0.09
    
       0.08
0.08
    
    その時の FFTでのグラフです。
 0.099
0.099
    
       0.09
0.09
    
       0.08
0.08
    
    
       0.0993
0.0993
    
    実際のピアノでは どうでしょう?
| # | Left | Right | Balance | 
|---|---|---|---|
| 1 | 0.1767 | 0.1812 | 0.0045 | 
| 2 | 0.1718 | 0.1763 | 0.0045 | 
| 3 | 0.1378 | 0.1393 | 0.0015 | 
| 4 | 0.1408 | 0.1445 | 0.0037 | 
| 5 | 0.1185 | 0.1212 | 0.0027 | 
| 6 | 0.1158 | 0.1185 | 0.0027 | 
| 7 | 0.1036 | 0.1060 | 0.0024 | 
| 8 | 0.1024 | 0.1052 | 0.0028 | 
| 9 | 0.1012 | 0.1041 | 0.0029 | 
| 10 | 0.1078 | 0.1108 | 0.003 | 
| 11 | 0.1075 | 0.1105 | 0.003 | 
| 12 | 0.1081 | 0.1112 | 0.0031 | 
| 13 | 0.1092 | 0.1119 | 0.0027 | 
| 14 | 0.1102 | 0.1135 | 0.0033 | 
| 15 | 0.0968 | 0.0993 | 0.0025 | 
| 16 | 0.0970 | 0.1020 | 0.005 | 
| 17 | 0.0643 | 0.0643 | 0 | 
| 18 | 0.0667 | 0.0667 | 0 | 
| 19 | 0.0697 | 0.0697 | 0 | 
差を(0.0033)として A(13) 55[Hz] Ch.1 (0.1393)・Ch.2 (0.136)の場合のユニゾンの`うなり'を -1〜+3[cent]に変化させて見ます。
 -1
-1
    
       0
0
    
       1
1
    
       2
2
    
       3
3
    その時の FFTでのグラフです。
 -1
-1
    
       0
0
    
       1
1
    
       2
2
    
       3
3
    もう少しインハーモニシティ値が異なる(0.0093)とどうなるでしょう?
      Ch.2を (0.13)にした場合 -1〜+4[cent]まで変化させて見ます。
 -1
-1
    
       0
0
    
       1
1
    
       2
2
    
       3
3
    
       4
4
    その時の FFTでのグラフです。
 -1
-1
    
       0
0
    
       1
1
    
       2
2
      
    
       3
3
      
    
       4
4
    インハーモニシティ差のある場合は
      ユニゾンでもオクターブ・5度・3度でも
      和音はこのような倍音の`うなり'の変化の仕方をします。
      例えば 5度(3:2) A(25):E(32)の場合。
 
      
    
       
    共鳴する A(25)の 3の倍数の倍音に これまでに見られたような`うなり'の変化が見られます。
共鳴はインハーモニシティ差が大きい程 同調する倍音の幅 (数 or 高さ)が狭くなります。
またインハーモニシティ差のある場合の共鳴点は 基音でピタリと合わせるよりやや高めの方がスペクトル的(?)には 音量が豊かになるように見受けられます。
(変更履歴:
      v0.1.2 ['14/11/23] HTML5版を追加しました。
      「エンベロープで見るユニゾンのシミュレーション
      (Unison Simulation of Envelope)」

HTML5版です。
v0.1.1 ['13/06/01] cssとJavaScriptファイルを別にしました。)