巻線の数について (Wound Wire) v0.2


「インハーモニシティの傾き (Inharmonicity grade)」 「インハーモニシティの曲線から調律曲線を求める (Inharmonicity curve to Tuning Curve)」などの インハーモニシティのシミュレーションでは 巻線の数は 敢えて詮索しませんでした。

そこで 新たに 確かめてみようと思います。
巻線の数を 16・28・40と変化させた インハーモニシティ値を見てみます。

inha-16-28-40

そして Tuningのシミュレーションを行った セント値です。

cent-16-28-40

その時のオクターブと 4度の`うなり'です。

beat-oct-16-28-40 beat-4th-16-28-40

そして 5度と2オクターブです。

beat-5th-16-28-40 beat-2oct-16-28-40

2オクターブなどで `うなり'の差が少なくなるのは 28近くに見受けられます。
そこで 巻線数を 27・28・29とした場合を見てみます。
オクターブと4度です。

beat-oct-27-28-29 beat-4th-27-28-29

5度と2オクターブです。

beat-5th-27-28-29 beat-2oct-27-28-29

オクターブ・4度・5度では ほとんど変わりませんが 2オクターブで キー全体の`うなり'の差が 最も平になるのは 28(C)になります。
実際には 音質・音色・音量などの調整で前後しますが 28(C)辺りが経験的に選ばれて来ています。


(v0.2)巻線の数から傾き(Grade)

まず初めに 巻線の無い場合のインハーモニシティ値です。 (セント値は 0で 傾き(Grade)は0.087です。)
右はその時のオクターブの`うなり'です。 以下では その`うなり'を比較して行きます。

inha. wound wire 0 beats wound wire 0

傾き(Grade)を -0.15から0.15に0.03ずつ変化させた時の インハーモニシティ値と`うなり'です。

inha. wound wire 0 beats wound wire 0 & grade

巻線を18にした時のインハーモニシティ値と`うなり'です。

inha. wound wire 18 beats wound wire 18

巻線を28にした時のインハーモニシティ値と`うなり'です。

inha. wound wire 28 beats wound wire 28

巻線を38にした時のインハーモニシティ値と`うなり'です。

inha. wound wire 38 beats wound wire 38

巻線を48にした時のインハーモニシティ値と`うなり'です。

inha. wound wire 48 beats wound wire 48

上記を傾き(Grade)毎にみてみます。 全キーの`うなり'数を単純に絶対値で合計しています。
巻線数0の場合です。

grade wound wire 0

18本と28本の場合です。

grade wound wire 18 grade wound wire 28

38本と48本の場合です。

grade wound wire 38 grade wound wire 48

上記をまとめて 0から48本まで6つずつ変化させてみます。

grade wound wire 0~48

巻線数0から36まで 傾き(Grade)0から0.1ぐらいまで 殆んど変化はありません。
0.087(2√2)前後の傾き(Grade)は巻線数の変化に対しても安定して 高音部分の大きな`うなり'を維持しています。

巻線の数を0から48まで6つずつ変化させたインハーモニシティ値です。 (傾き(Grade)は0.087で固定しています。)

inha. wound wire 0~48

そこで 0.087の傾き(Grade)で 巻線の数を0から48まで6つずつ変化させた キー全体の`うなり'です。

keys wound wire 0~48

巻線部のみが変化していて 高音部には影響がありません。

参照〉13. インハーモニシティの傾き (Igrade)

変更履歴:
v0.2 ['13/02/06] 「巻線の数から傾き(Grade)」以下を追加しました。
v0.1.1 ['11/06/05] cssを分離しました。
v0.1 ['10/09/13]


Dobashi.M
Last modified: 4月 27日 土 19:39:52 2024 JST